子泣きジジイは妖怪ではなく、子供のように泣く迷惑ジジイだった。
「迷惑ジジイは退治しなければならない」とオヤジは立ち上がった。
オヤジは村人を集めて、子泣きジジイ対策チームを作った。
しかし、子泣きジジイにも人権があるから、なかなか手を出せない。
おやじ達は焦っていた。
しかし、数年後に問題は解決した。
子泣きジジイは宴会の夜に勝手に足を滑られて池に落ちて死んでしまったのだ。
「死ぬと分かっていたらあんなに責めるんじゃなかった」
歳を取ったオヤジは子供のように泣き始めた。
オヤジは子泣きジジイになった。
(遠野秋彦・作 ©2024 TOHNO, Akihiko)